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1.肩関節腱板炎
肩関節腱板炎の原因としては変性,微細損傷,
使いすぎ,外力の作用などが考えられる.また断
裂を証明できない腱板不全断裂も含まれる.症状
としては運動時痛と,それによる運動制隈がほと
んどである.運動時痛はほとんど全例が最終可動
域での肩峰下の痛みで,炎症により腱板あるいは
肩峰下滑液包が少なからず腫張し,鳥口肩峰アー
チでの通過障害が生じていることを示唆してい
る.拘縮があるわけではないので,消炎鎮痛剤の
局注により運動制限は著しく改善する.
腱板炎と鑑別のつきにくい疾患に肩峰下滑液包
炎がある.肩峰下滑液包は腱板の表面を覆うよう
に存在し,上腕骨頭と鳥口肩峰アーチの間の運動
をスムースにする役目がある.常に骨頭と鳥口肩
峰アーチに挾まれていることや神経・血管の供給

が豊富であることを考えると,非常に痛みの生じ
やすい部位といえる1,.信原は,臨床上腫張が強
く滑液包に液が貯留しているのが明らかな場合を
滑液包炎とし,それ以外の場合は腱板炎との区別
は不可能であるとしている1工.

1)腱板断裂
本疾患も変性の影響を無視できないが,受像機
転としてはやはり外膓が圧倒的に多い.幸運にも
断裂まで及ぱず軽い軟部損像程度ですんだ症例は
腱板炎となる.
腱板に損傷が起こると三角筋前部,中部線維周
辺に広範に自発痛,運動痛が出現し挙上困難とな
る.挙上が全く不可能になる例もあるが,多くは
痛いながらも挙上は可能で,筋カテストでは特に
外転に著明な低下を示す.有名な徴候としてドP
ツブアームサイソ(droparmsign)がある.こ
れは,上肢を他動的に挙上しておき,その支持を
はずすと,急に負荷された重力に抗しきれず上肢
が下降することをいう.
陳旧化するにつれ(受陽段3遇目以降)拘縮を
起こすことが多く,肩関節閤囲炎後の拘縮と鑑別

する必要がある.
断裂の有無を確定するには関節造影によらな
けれぱならない.正常の関節造影所見では,関節
包,関節腔と交通のある肩甲下滑液包,上腕二頭
筋長頭腱の筒状滑液包が造影されるが,断裂があ
ればさらに肩峰下滑液包とも交通ができることに
なるので,同滑液包に造影剤が漏出し大結節の上
まで充満する(図1).
治療は,軟部損傷では消炎鎮痛剤の局注および
安静,不全断裂が考えられる場合はゼロポジショ
ソでの固定が適用される.断裂が証明された場合
は観血的に縫合しなければならない.

3.上腕二頭筋長頭腱断裂
断裂の基盤にはやはり変性があり,それに外傷
が加わった時に断裂するというのが通説である.
重い物を持ち上げようとした時“ブチ”という音
がしたという症例もある.典型的な症例では肘関
節を前腕回外位で屈曲させると上腕二頭筋筋腹の
下降が認められる(図5)が,長頭腱の弛緩した
ものでも認められ,鑑別には関節造影が必要とさ
れる.肘関節屈曲筋力の低下と疲労感を訴えるこ
とが多いが,徒手筋力険査で1,2回肘を屈曲す
る程度では筋力低下を認めない場合もある.
治療は,患者の訴えが軽いことから保存的(こ
の場合は放置)か観血的かの論議がいまだになさ
れているが,信原は,仕事などで肘屈曲力,前腕
回外力を特に必要とする症例には手術の絶対的適
応があるとしている11.

4.反復性肩関節脱臼
初回の脱臼は外陽によるものがほとんどで,初
回脱臼後は3週間の固定が必要とされるが,それ
1988年11月441
図6poster01atem1mtch(肩内旋位)
が不十分であった場合に反復性になりやすい.反
復性脱臼の解剖学的因子として関節包の弛緩,肩
甲骨臼蓋前下方の損像(Bankart1esion),上腕
骨骨頭後上方の骨欠損(postero1ateralnotch)
(図6)の3つがよく知られているが,はたして
これらが脱臼の原因であるか,それとも結果であ
るかは確定できない1〕.
外転・外旋位で実に簡単に脱臼するが,下垂位
や屈曲・伸展方向の運動では脱臼しない.
筋力検査では,脱臼の不安を感じさせずに実施
できれぱ正常である.関節可動域は外転,第2肢

位外旋に制限を認める場合があるが,これも脱臼
に対する不安から患者自身が防御的に制限してい
ることが多い.
治療は,脱臼回数が少ないうちは3週間の胸壁
固定を行い,損傷された組織の自然修復を待つ.
ことに初回脱臼後の固定が大切であり,反復性に
移行するか否かに大きく影響する.しかし4〜5
回以上の脱臼歴がある場合は保存的治療での修復
は期詩できず,手術によらなけれぱならない.

2.遺動療法
肩関節腱板炎を含め肩関節周囲炎の治療の原則
は消炎と安静であるが,拘縮予防のための運動療
法は処方されてもよい.ただし愛護的なものにと
どめるべきで,痛みを無視した強い運動や長時間
の運動は炎症を強くするだけである.具体的に
は,まず,@上腕長軸方向への軽い牽引と圧迫を
交互に繰り返し,肩関節周辺組織の伸張を行う.
この運動は肩周辺の緊張度合を確認するにも便利
で,術者が受げた感じを患者にフィードパックす
ることでリラヅクスさ昔ることもできる(図8).
次に,A各方向への運動を自動介助から自動運動
程度の強さで行う.徒手的でも良いし機械器具を
用いても良い.痛みを訴えたらそれ以上は行うべ
きではない.
よく知られているコッドマソ・ニクササイズは

彼の著書“TheS与ou1φeギ.9石灰沈肴性腱塚炎
の項でstoopingexercise4,(前かがみ運動)と
いう表現が用いられており(図9),本来肩関節
拘縮に対する運動ではなく,周囲炎の時に実施し

 

に挙上位での運動ができること,また腕の重みが
関節周辺組織への牽引力として作用し適度な伸張
ができることにある4}.可動域を維持するための
愛護的な運動療法としては,まさしく打って付げ
である.
初期の治療が不適切であった場合は容易に肩関
節拘撤こ移行する.炎症の初期において適切な消
炎が行われ,かつ可動域が維持されなけれぱなら
ない.
肩関節腱板炎の特徴は除痛すれぱ運動制限がな
くなることであるが,現実には肩関節拘縮との中
問に属する症例や既に拘縮に移行してしまった症
例が多い.その背景には,「肩の痛みぐらい放っ
ておいてもすぐ治る」という甘い考えがあると思
われる.時が経つにつれて徐々に痛みと可動域制
限がひどくなり,どうにもならなくなってから病

院を訪れるという場合が非常に多い.最終可動域
での痛みはやはり肩峰下に強いが,拘縮が強くな
ると上腕部への放散痛の方が目立ってくる.内転
筋群の伸張痛はほとんど訴えない.圧痛も島口突
起,結節間溝,大緒節,後方四角腔など広範囲に
わたる.こうなると,治療は理学療法を中心とし
た痛みと拘縮の除去(維持ではなく)ということ
になる.
この場合も,痛みが強い時は矯正的運動は控え
て,周囲炎初期と同じようなアプローチを行う.
痛みの低下に合わせて自動最終可動域で他動的矯
正を加えていく.この時,肩甲骨の余分な代償が
起こらないように注意しないと肩甲上腕リズムの
乱れを増悪させ5〕,ざらに肩鎮関節に過度の運動
が強いられるため同部の不安定性が生じることが
ある.また最終可動域での発痛部位から見ると,

拘縮の原因は第2肩関節の通過障害と考えるべき
であるから,矯正を行う場合は烏口肩峰アーチと
大結節を引き離すように骨頭を操作しなげれぱな
らない(図10).
可動域の再獲得には非常に長い時間を必要とす
るし,いわゆる正常可動域まで回復させるのはき
わめて困難である.目安としては,結髪・洗髪動
1988年1ユ月445
作,結帯動作が楽にできれぱ目常生活においてそ
れほど支障をきたさないようである.ホームプ目
グラムの指導も非常に重要であり,挙上,結髪,
結帯の各動作の要素を盛り込んだ運動を短時間で
よいから頻回に行うよう指導する(図11).
痛みがいつまでたっても低下しない症例は腱板
損陽の有無を確認する必要がある.
前述の通り,周囲炎後拘縮と区別のつきにくい

疾患に躍板断裂後の拘縮と拘縮型の腱板疎部損傷
がある.表1に示した通り,腱板断裂と腱板疎部
損傷を合わせて152名,肩疾患全体の中でも21.1
劣にものぽる.これは当院の特殊性を考慮して
も大変大きな数値であり,痛みの原因には腱板損
傷がかなり高率で存在することを念動こおいてい
なげれぱならない.痛みが頑剛こ続くにもかかわ
らず,むやみに理学療法を続げることは避げ,的
確な精査をするべきである.信原は,肩関節とし
ては異例ともいえる膨大な手術経験から,「完全
断裂はもちろんのこと部分断裂でさえ断端は廠疲
化しており,自然治癒などおよそ考えられない」1,
と述べている.

疼痛と運動療法について
【疼痛の発生】
受容器→伝導神経路→中枢の経路上で起こる。この経路上のどこかに加わった刺激により、インパルスが発生すると中枢に伝えられ痛みとして知覚されることになる。
@ 受容器(自由神経終末)から生じる痛み
皮膚・骨膜・筋膜・内臓・血管に分布し、物理的・化学的刺激により、インパルスを生じる
物理刺激 ・機械刺激によるもの:炎症による腫脹が組織を圧迫し、受容器を刺激する
・電気刺激、強い熱や光によるもの

 

化学刺激
・内因性発痛物質(生体内で産生されるもの)
→生体内に入ってきた異物を取り除こうとしておこす炎症反応など
  (例) アセチルコリン・セロトニン・ヒスタミン・オキシトシン
・外因性発痛物質(生体外から送りこまれるもの)

 

A 伝道神経路で生じる痛み
神経線維に加わる物理的刺激・化学的刺激により、インパルスが生じる
(例)肘を打った時にはしる痛みや神経根圧迫症状など

 

B 中枢性の痛み
皮質・視床・脳幹・脊髄などの刺激で疼痛を起こす場合で、強い不快感を伴う激しい痛み
(例)視床痛・Dejerine−Roussy症候群など

 

【疼痛の悪循環】
疼痛は・・神経を介してその部位を異常緊張状態にさせる(スパズム)

血管収縮を生じさせる(過収縮)

+α 血管壁に分布する受容器を刺激し、痛みを生じさせる

組織の阻血状態

組織の破壊と炎症反応

発痛物質の放出

疼痛(もとの原因が解消されても痛みが持続したり、心理的緊張も悪循環の原因となる)
【運動療法の目的】
*阻害因子となる痛みを可能な限りコントロールしていく必要がある

・リラクゼーションによりスパズムの緩和
・血行の改善
・心理面の改善
・関節機能異常などの原因の除去

 

運動療法により、筋緊張の低下、血流の改善、痙性の抑制、神経圧迫の軽減が生じ、疼痛が軽減することが知られている。また、運動により、内因性オピオイドが分泌され、疼痛閾値が上昇することも知られている。

 

【運動療法】
理学療法領域におけるセラピュ−ティックタッチを用いた手技
→マイオセラピー・触圧覚刺激法・筋膜リリース・神経モビライゼーション
関節モビライゼーション・IDストレッチ

 

@ ROM
関節拘縮を予防・改善することにより、関節拘縮に伴う運動時の疼痛を予防・改善する
→骨折後の固定などにより、関節拘縮が生じたもの、麻痺などにより、関節拘縮が予想されるものに適応

 

A ストレッチング
周囲の軟部組織の柔軟性を維持・改善することにより、異常姿勢や運動痛を予防・改善する
→全身的な安静をようする者や腰痛患者のように疼痛の影響が広範にわたるものの適応

 

B 筋力増強訓練
筋運動により、筋の循環を維持・改善することができる。さらに、筋痛の原因となる筋疲労やそれに伴う筋痙縮を生じにくくさせ、筋力低下によって生じる異常姿勢や関節への負担を予防・改善させる。心肺血管系の全身機能を高める役割も果たす。
→一定時間の安静が必要で、筋力低下が予想される患者や安静により既に筋力低下が生じた者

 

C 筋弛緩訓練
筋の持続的緊張は循環不良の原因となるばかりではなく、筋疲労により、筋痛を引き起こし、さらに、緊張の持続につながるため、悪循環を絶ちきる。
疼痛のために生じている交感神経の亢進状態を改善する精神緩和の効果もある
→慢性的な緊張が疼痛の原因となっている腰痛・頚部痛
D 体操療法
ROM、ストレッチング、筋力増強訓練を組み合わせた方法で、運動機能の改善を目的としたもの。疼痛による運動障害を予防・改善する
→肩関節周囲炎にたいするコドマン体操や慢性腰痛症に対するウィルソン体操など

 

E マッサージ
筋肉痛・偏頭痛などにマッサージが使用される。
マッサージ:皮膚の上から皮膚・筋・腱などを手でやわらかく刺激すること。積極的に関節運動はしない