交通事故後の事例、症例

交通事故に遭った方の評価〜治療、リハビリまでの例

症例報告外傷性脳挫傷における高次脳機能障害と歩行障害を呈した症例について

 

はじめに:今回、交通事故による頭部挫傷、急性硬膜下血腫、脳出血により高次脳機能障害と歩行障害を呈した高齢女性を治療まで担当させていただく機会を得たのでここに報告する。

 

診断名:頭部外傷による脳挫傷(硬膜下血腫・外傷性脳内出血)、胸腹部・左手打撲、腰部打撲  

 

 

本人hope:聴取できず
家族need:歩いてほしい
Dr.より:脳挫傷により両前頭葉と左側頭葉に出血が認められ自発性の低下は前頭葉の損傷によるものと考えられる。高血圧や不整脈に関してはコントロールされている。
Ns.より:ベッドに横になると眠ってしまうので、日中はなるべく車椅子へ移動し過ごすようにしている。
OTより:目標は食事摂取の自立である。20分程度の治療法中でも疲
れてしまう。現在は右三角筋低下に対するアプローチを行っている。

 

 

全体像:表情乏しく活気がない。発声は小さく不明瞭でそれ以上の関心を示さない。氏名はまったく別人の氏名を答え、年齢は不正解である。随意運動は可能であるが、口頭指示に対応した動作や目的動作ができず、腰痛の訴えが強い。
HDR−S:0点(高度痴呆)
高次脳機能
言語障害:超皮質性運動性失語の疑い発語の量は少ない、発語に対する努力には時間がかかるか返答がない。言葉の長さは単語単位で短い。復唱:保たれている 言語了解:保たれている。音読:可能 自発書字:ペンを渡すと無意味な線(波線)を書く
失行:観念運動失行・観念失行の可能性は低い。グー・チョキ・パーを真似することができる。
失認:空間や身体の失認の可能性は低い。
記憶障害:近期記憶・長期記憶のどちらにも返答なし。

 

 

筋緊張亢進
頚部伸筋群:屈曲で抵抗感がある
右腰背筋群:膝立て位からの左回旋で抵抗感ある
両下腿底屈筋群:下腿三頭筋伸張で抵抗感ある
両股関節屈筋群
疼痛 腰部痛:背臥位、体位変換、起き上がりで激痛訴える。
ファーラー肢位にて↓
部位:両臀部  ラセーグ徴候:陰性
ADL:食事:一部介助、 更衣、入浴、排泄:全介助  
姿勢
背臥位:円背の影響から体幹を左右どちらかに回旋させ安定性を得る。
両股関節と両膝関節を屈曲することで疼痛からの逃避を図っており、股関節を伸展すると疼痛が増強する。
端座位:近位監視(両手掌で支持) 体幹はやや前傾し骨盤後傾、両上肢による支持がなければ保持できない。立ち直り反応は認められるが、後方ではわずかな重心移動にも対応できず倒れる。
立位:軽度介助(平行棒) 介助にて体幹を前屈し重心を前方に移動すると自ら立位となる。平行棒を把持し立位となるが平行棒を「引っ張る」ため重心が後方にある。持続性なく10秒ほどで座ろうとする(座ってしまう)。
基本動作
寝返り:軽介助  腰痛から逃避するため手掌でベッドを押し体位変換しようとする。そのことが肩甲帯の離地と体幹の回旋を妨げる。肩甲帯と臀部を介助が必要。

側臥位〜端座位:全介助  頭部を挙上することができない。下肢を下垂しないon elbowでは腰痛の増強がみられる。on elbowからon handになることができない。頭部挙上と同時に両下肢下垂を介助し端座位となる。
トランスファー:中等度〜軽介助  立ち上がり動作のみ中等度介助。
立ち上がりのきっかけとなる前上方への重心移動を介助するとその後の移動は軽介助で可能。
歩行
平行棒内歩行:中等度介助  声掛けが歩行のきっかけとなる。姿勢保持が困難となり体幹前屈となる。姿勢を整えても平行棒を「ひっぱる」ことで姿勢を保持しようとするため重心が後方にあり努力性の歩行となりこのとき介助量も大きくなる。

 

初期問題点
Impairment 
♯1 高次脳機能障害(自発性低下)
♯2 腰部痛
♯3 頚部伸筋群、腸腰筋、下腿三頭筋、腰背筋の筋緊張亢進
♯4 股関節ROM制限  
♯5 体幹・下肢の筋力低下
♯6 神経因性膀胱
Disability
♯7 姿勢保持能力低下(端座位・立位)
♯8 基本動作困難(寝返り〜起き上がり能力低下)
♯9 立ち上がり困難(移乗動作能力低下)
♯10 歩行能力低下(姿勢維持能力・持久力低下)
♯11 ADL能力低下(身の回り動作ができない)
Handicap
♯12 家庭復帰困難  2人暮らし(日中は独りになる) 

 

 

Goal  
STG:基本動作獲得(寝返り〜起き上がり)・歩行器またはシルバーカーでの歩行能力向上(軽介助レベル)
LTG:家庭復帰(身の回り動作ができる・日中一人でも過ごすことができる

 

Program 1. ストレッチング(頚部・体幹・股関節・足関節) 2.基本動作(寝返り〜立ち上り動作)3.歩行(移動手段)  
4.ペグボード、じゃんけん、しりとりなどの作業やゲーム        

 

 

考察                           
患者は家事全般を始めわずかながら畑仕事もしており、体調の良いときには自転車に乗って近くの診療所に通っていたことや、会社勤めの息子氏との二人暮しで日中は独りとなってしまうことを考え、最終目標は身の回り動作自立での家庭復帰とし、高次脳機能障害による運動遂行障害・自発性低下に対しては、声掛けやゼスチャーを取り込みながら、基本動作や歩行を主体とした各動作を繰り返し行うことで筋の強化と柔軟性・タイミングを獲得する全体法を用いた腰部痛に関しては疼痛が激しかったため腰部に直接アプローチせず頭部を介助して頚部屈曲をすることで腹筋の等尺性収縮を促し下肢のSLRでストレッチングを行った腸腰筋の過度の筋緊張亢進による股関節伸展制限に対して平行棒内での立位保持や歩行練習を行い、股関節の可動性改善と同時に体幹や下肢の抗重力筋収縮を強化したいと考えた。経過の中で体調の不良と腰部痛などから拒否反応が見られたため、散歩で気分転換を図り家族の協力を得ながらリハビリへの意欲向上を目指した。受傷から2ヶ月が経過し家族の希望としては日中一人で過すことができるようになることで、その目標レベルに到達できるようリハビリテーションの継続を望む。

整骨院信玄では、このようにしっかりと評価し治療を行っていきます。

上記の事例は、病院での治療内容であり、整骨院信玄で評価したものではありません。

 

多くの交通事故患者様をこのように、評価し、ゴールの設定、治療プログラム立案、考察までを行います。

 

後遺症が残らないうようしっかりサポートさせていただきます。

 

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